どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日は「キャラクターの口調と一人称の決め方」について話をします。
結論から言います。
口調と一人称は、思いつきで決めるものじゃないんです。
設計するもの。
そしてここを社内の誰かの「なんとなく」で決めてしまうと、キャラクターはブレます。
ありがちな失敗
よくある光景があります。
新しいキャラクターができて、担当者の誰かが言うんです。
「語尾に『〜なのだ』つけましょうか」
会議は「いいですね」で通る。
でも半年後、SNS担当が変わる。
新しい担当者はその設定を知らないか、しっくりこない。
いつのまにか「〜なのだ」が消えて、普通の言葉になっている。
イベントの着ぐるみのトークは台本作家がまた別の口調で書く。
グッズのパッケージにはさらに違う一人称が印刷されている。
こうしてキャラクターは、同じ見た目なのに中身がバラバラになっていきます。
なぜブレるのか
ここで浮かぶ疑問はこうです。
なぜ「〜なのだ」ひとつ決めただけなのに、こんなに簡単に崩れるのか。
答えは、口調や一人称が「装飾」だと思われているからです。
語尾やキャラっぽい言い回しは、後から付け足すおまけだと。
だから担当者が変わればあっさり抜け落ちる。
でも実際は逆なんです。
口調と一人称は、そのキャラクターの人格そのものです。
見た目より先に、性格を決めているのは言葉なんです。
だからこそ、企業が自社キャラクターを持つときは、ここを最初にちゃんと設計しておく必要があります。
そして、ここが自社や身内だけで作ると弱いポイントでもあります。
身内には「決める人」がいないんです。
担当者はみんな他の仕事も抱えていて、キャラクターの言葉づかいを守り続ける役目までは背負いきれない。
結果、時間とともに緩やかに壊れていく。
根拠は3つ
1つ目…口調は人格の輪郭になる
「〜だぞ」と言うキャラクターと、「〜ですわ」と言うキャラクターでは、同じ見た目でも受け取られ方がまったく違います。
語尾ひとつで、元気なのか、上品なのか、頼れるのか、抜けているのか、すべて決まってしまう。
ここがブレると、見ている人は「あれ、この子ってこんな感じだったっけ」と混乱します。
2つ目…一人称は距離感を決める
「ボク」と名乗るキャラクターと、「わたくし」と名乗るキャラクターでは、ファンとの距離が全然違います。
子どもに親しんでほしいのか、大人にちょっと憧れてほしいのか。
これは戦略の話でもあります。
なんとなく「ボク」にしておこう、では戦略になっていない。
3つ目…身内制作だと、決める人・守る人がいない
社内で作ると、決定権が分散します。
「前任がこう決めたので」「担当者の好みで」というふうに、根拠のないまま口調が受け継がれていく。
そしてある日、新しい担当者が「もっとこうしたほうが可愛くないですか」と変えてしまう。
悪気はないんです。
ただ、ガイドラインがないから起きる。
これが積み重なると、ファンから見たときに「キャラクターが薄っぺらくなった」と感じられてしまいます。
ちなみにボクが手掛けている「おばけのパッチ」の一人称はシンプルに「ぼく」です。
「おれ」でも「わたし」でもない、「ぼく」だなと最初に決めた設計です。
ここは行き当たりばったりでは決めていません。
もう一度、結論
口調と一人称は、キャラクターの人格そのものです。
ここを最初に設計しておけば、担当者が変わっても、グッズ展開が広がっても、キャラクターはブレません。
逆にここを身内のノリで決めてしまうと、時間が経つほど輪郭がぼやけていきます。
まだキャラクターを持っていない企業や自治体のみなさんへ。
キャラクターは「かわいい絵」を作ることではありません。
言葉づかいまで含めた人格を、最初にちゃんと設計することです。
そこができていれば、キャラクターは長く愛される資産になります。
実験は続く。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

