どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日は「企業の顔」の話をします。
本日も結論からいきましょう。
自社のキャラクターは、会社の名前を覚えてもらう装置じゃありません。
名前を忘れられても「顔」だけは残る、そのための装置です。
ただし社内の多数決で作ると、誰の記憶にも残らない顔になります。
顔がない会社
展示会やイベントで名刺交換をして、あとで名刺入れを見返す。
そんな経験、誰しもあるはずです。
「あれ、この会社何の会社だっけ」。
ロゴと社名だけだと、意外とうなります。
人間の記憶は、「文字」より先に「形」を覚えるようにできているからです。
黄色くて丸いキャラクターがいた会社、という記憶は残っても、社名の漢字4文字はスッと抜けていく。
これ、責めているわけじゃありません。
人間の脳の仕組みがそうなっているだけです。
覚えられない不安
ここで多くの企業が感じる不は「知ってもらっているのに、覚えられていない」です。
広告も出した、展示会にも出た、SNSもやっている。
やることはやっているのに、記憶に残る「引っかかり」がない。
この引っかかりの正体が、キャラクターです。
名刺、封筒、SNSのアイコン、展示会のブース。
接点はいくつもあるのに、そのすべてに同じ顔がいなければ、接点はただの点のまま繋がりません。
多数決の罠
じゃあ社内で作ればいいじゃないか、と思う方も多いと思います。
ここに落とし穴があります。
社内アンケートや多数決でキャラクターを決めると、大抵こうなります。
「かわいい系がいいという声もあったので、動物にしました」。
「うちの製品も入れたいので、素を足しました」。
みんなの意見を少しずつ足していくと、誰も嫌いじゃないけれど誰も好きじゃない、当たり障りのない顔が出来上がります。
これでは「あの黄色い犬の会社ね」とは覚えてもらえません。
覚えてもらうには、むしろ尖った一点が要るからです。
資産としての顔
ここで根拠を3つ挙げます。
1つ目は、人は形とシルエットで記憶するということ。
色や輪郭だけで「あ、あの会社」と分かる状態は、広告費をかけずに認知を積み上げているのと同じです。
2つ目は、複数接点での一貫性です。
名刺、封筒、SNS、展示会。
毎回違うビジュアルを一から作っていたら「またバナー作り直すの、正直しんどいんですよね」という声が現場から出ます。
1つの顔があれば、この作り直しの手間そのものが減ります。
3つ目は、キャラクターが「運用できる資産」になるということです。
ディズニーの構造がまさにこれで、質の高いキャラクターはファンを生み、グッズや展開先を広げ、その利益がまた次の質に還元されます。
一度きりのロゴと違って、キャラクターは育るほど価値が増える資産です。
もう一度言います。
自社のキャラクターは、名前を覚えてもらうためではなく、名前を忘れられても顔だけは残るための装置です。
そして、その顔は社内の多数決では生まれません。
誰に、何を覚えてほしいか。
そこから逆算して、一点に絞って作るものです。
というわけで、実験は続きます。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

