どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日はキャラクターの配色設計についてお話しします。
本日も結論から言いましょう。
色は感覚で決めるものじゃなくて、設計するものです。
そしてここ、自社や身内でキャラクターを作るときに一番ブレやすいポイントでもあります。
色は「なんとなく」で決まる
よくある光景を想像してみてください。
企業や自治体でマスコットを作ろうという話になる。
デザインは決まった。
あとは色。
ここで会議室にこんな声が飛びます。
「まあ、うちのコーポレートカラーでいいんじゃない?」
「社長、青が好きだから青で」
「他のゆるキャラも大体そんな感じだし」
誰も悪気はありません。
でも、この決め方、実はけっこう危ういんです。
疑問:それって大丈夫?
ここで浮かぶ疑問がひとつ。
その色、本当にそのキャラに合っていますか。
コーポレートカラーは会社のロゴには合っていても、キャラクターの性格や役割には合っていないことがあります。
社長の好みは、社長がいなくなったら根拠を失います。
他のゆるキャラと似た色だと、いざイベントで並んだときに埋もれます。
作った直後は気づきません。
違和感が出るのは、グッズになったとき、着ぐるみになったとき、他のキャラと並んだときです。
そのときにはもう、色は決まってしまっている。
直すには作り直しに近いコストがかかります。
配色設計に必要な3つの視点
この「あとから気づく」を防ぐのが、配色設計という考え方です。
理由は3つあります。
1つ目、色には意味がある
赤は元気や情熱、青は誠実や信頼、緑は自然や安心。
色彩心理はある程度、業界の共通言語になっています。
キャラクターの役割や伝えたいメッセージと、色の意味がズレていないか。
ここを最初に確認する必要があります。
「なんとなく好きだから」で選んだ色は、この確認をすっ飛ばしています。
2つ目、競合や同業との被りを見る
ご当地キャラや企業マスコットは、赤・黄色・オレンジ系が集中しがちです。
元気さや親しみやすさを狙うと、みんな同じ方向を向いてしまうからです。
身内だけで決めると、他にどんな色のキャラがいるか調べる工程がそもそも抜けます。
イベント会場で並んだときに「あれ、どのキャラだっけ」となったら、それはもう配色設計の失敗です。
3つ目、再現性を管理する
決めた色を、印刷物でもグッズでも着ぐるみでも同じ色で出せるか。
これは感覚ではなく、色番号(DIC番号やCMYK値)での管理の話です。
身内制作でよくあるのが、公式サイトの色とパンフレットの色、着ぐるみの色がそれぞれ微妙に違うパターン。
「あれ、公式サイトの色と着ぐるみ、なんか違くない?」
この一言が出た時点で、そのキャラクターは色の管理に失敗しています。
お客さんは細かい違いに気づかないと思われがちですが、実は「なんとなく安っぽい」という印象につながっています。
もう一度、結論
配色は、好き嫌いや思いつきで決めるものではありません。
意味、差別化、再現性。
この3つを設計してはじめて、キャラクターの「顔」として機能します。
そして正直に言うと、これは身内だけで決めるのが一番難しい工程でもあります。
社内の力関係や好みが入り込みやすいからです。
キャラクターを持ちたいと考えている企業や自治体の担当者の方に伝えたいのは、デザインだけでなく色にも設計の理由が要る、ということです。
理由のある色は、長く使えます。
理由のない色は、いつか誰かに「これ、なんでこの色なんですか」と聞かれたときに答えられません。
というわけで実験は続きます。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

