どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日は「AI×キャラクター制作」の話をします。
本日も結論からいきましょう。
AIは「設計を代替」しない。
AIは「設計を通すための道具」です。
一瞬で絵は出る
今週もいろんな画像生成AIを触っていました。
言葉を打てば、それらしいキャラクターの絵が数秒で出てきます。
正直、最初に触ったときは「これ、ボクらの仕事なくなるんじゃないか」と思いました。
線も塗りも、そこそこの水準で出てくるんです。
パッと画面に出た瞬間、ちょっとゾッとしました。
それで終わらない理由
でも触っていくうちに、違和感が残るんですよね。
出てきた絵は「それっぽい」だけで、なぜこの形なのか、なぜこの色なのか、誰にも説明できない。
聞かれても「AIがそう出したので」としか言えない。
これ、キャラクターとしては致命的です。
愛される・使われるキャラクターには、必ず理由がある。
欲求は何か、恐れは何か、なぜこの形なのか。
AIは答えを出すのは速いけど、理由を持っていない。
じゃあどうするか。
ここでAIを「代わりに考えてもらう相手」ではなく「アイデアを試す道具」として使い直すと、急に扱いやすくなります。
AIは道具、設計は人
根拠を3つ挙げます。
1つ目。
ピクサーの「ソウルフル・ワールド」では、炎のキャラクターをシミュレーションだけで作ると、本物の火事みたいで怖くなってしまったそうです。
そこでアーティストが手描きした「漫画のような炎」とAIの技術を合成して、勢いと可愛さを両立させたと言われています。
AIに丸投げしたら怖い絵になった、人の手で意図を戻したら魅力になった。
この順番が大事なんです。
2つ目。
2024年、任天堂とポケモン社が「パルワールド」の開発元を提訴した件、覚えている方も多いと思います。
世間は絵柄の似てる似てないで盛り上がりましたが、実際に使われた武器は著作権ではなく特許でした。
著作権は「似てる」の立証がとても難しいからです。
AIで絵がいくら似せられても、それだけでは守れない領域があるということ。
キャラクターの防衛は、著作権1本ではもう足りません。
3つ目。
2025年末、ディズニーがOpenAIに出資して、自社キャラクターを条件付きでAIに使わせる契約を結びました(その後の事情でこの提携自体は解消されています)。
「AIは敵だから訴える」だけじゃなく「管理できる形で開放して収益にする」という選択肢を、世界最大のIP企業が実際にやってみせた。
これ、地味にすごいことだと思うんです。
締め出すか、丸投げするかの二択じゃない。
真ん中に「管理しながら使う」という道がある。
管理して開放する
この3つに共通しているのはシンプルです。
AIに「作る」を渡すんじゃなくて、AIに「試す」を手伝ってもらう。
決めるのは人。
理由を持つのは人。
そこだけは譲らない。
実際、今週いろんな出力を眺めながら「これは違う、これは惜しい」と選び続けていて、結局そこが一番時間を使うところでした。
「速く出せる」と「良いものが出せる」は、まったく別の話なんですよね。
もう一度言います。
AIは「設計を代替」しない。
AIは「設計を通すための道具」です。
そしてこの距離感、しばらくは自分の手で確かめ続けるしかないと思っています。
というわけで、実験は続きます。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

