どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日は「キャラクターのWANTSとNEEDSの設計」についてお話しします。
WANTSは「欲しいもの」。
NEEDSは「本当に必要なもの」。
この2つを分けて設計しているかどうかで、キャラクターの深みがまったく変わります。
本日の結論
本日も結論からいきましょう。
キャラクターは、表面で望んでいること(WANTS)と、心の奥で本当に必要としていること(NEEDS)がズレているほど、魅力的になります。
一致していると、ただの「いい子」で終わる。
ズレているから、観客はハラハラして、応援したくなるんです。
よくある依頼の話
キャラクターデザインの相談を受けていると、よくこう言われます。
「性格は元気で前向きな感じで」「見た目は可愛くお願いします」。
それ自体は悪くないんです。
でも、そこで止まってしまうと、正直ちょっと危ない。
なぜなら、それは全部「見た目の話」だからです。
性格も外見も、器の話でしかない。
中身が空っぽのまま器だけ整えると、初見はいいけど、すぐ忘れられるキャラクターになりがちです。
なぜ愛されないのか
ここで疑問が出てきます。
可愛く作ったのに、なぜ愛されないのか。
元気で前向きな性格にしたのに、なぜ印象に残らないのか。
ボクなりの答えはシンプルで、「その子が何を望んでいるか」しか設計していないからです。
望んでいることの裏に、「本当は何が足りないのか」「何を恐れているのか」がないと、キャラクターは動き出さないんです。
これが冒頭の結論、「WANTS」と「NEEDS」の話に戻ってきます。
根拠を3つ
1つ目。
WANTSだけのキャラクターは、目標を達成したら終わってしまいます。
「優勝したい」だけの主人公は、優勝した瞬間に物語が終わる。
でも「本当は誰かに認めてほしかった」というNEEDSがあれば、優勝しても心は満たされなかったり、逆に負けても満たされたりする。
物語が続く余地が生まれるんです。
2つ目。
ズレがあると、選択のたびに人格が見えます。
「賞金が欲しい」というWANTSと「本当は仲間といたい」というNEEDSを持つキャラクターは、大金を積まれた時に迷います。
その迷い方、「うーん」と一瞬止まる間、最後にどっちを選ぶか。
これが性格そのものになる。
説明セリフで「私は仲間思いです」と言わせるより、選択させたほうが百倍伝わります。
3つ目。
ズレがあると、観客が先回りできます。
「この子、本人は気づいてないけど、本当はこっちが欲しいんじゃないか」と観客が気づいてしまう瞬間、感情移入が一気に深まります。
本人が気づいていないことに観客だけが気づいている状態、これがキャラクターへの愛着を生む一番強い装置です。
ピクサーの講座でも、この「外的な目標」と「内的な欲求」のズレが物語を深くすると語られています。
見た目や設定を先に固めるより先に、この2層を考えるべきというのがボクの実感です。
もう一度結論
というわけで、まとめます。
キャラクターを設計するときは、「何を望んでいるか」だけでなく、「本当は何が足りないのか」までセットで考える。
望みと本当の必要が一致していたら、ちょっとズラしてみる。
そのズレこそが、キャラクターに命を吹き込む一番の近道だとボクは思っています。
というわけで、実験は続きます。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

