どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日は「キャラクターデザインに使うツールの比較検証」についてお話しします。
本日も結論からいきましょう。
ツール選びで見るべきは、「機能の多さ」じゃなく「シルエットで判断できるか」です。
これだけです。
でも、この一点が抜けている比較記事が本当に多い。
形が命
SNSを見ていると、「ペンタブと液タブどっちがいい」とか、「Procreateとクリップスタジオどっちが優秀」とか、そういう比較がよく話題になります。
ボクもツールの話は好きなので、こういう投稿はつい読んでしまいます。
ただ、読んでいて感じる「不」があります。
それは「機能が多い方が正義」という前提で語られがちなことです。
レイヤー数、ブラシの種類、フィルターの豊富さ。
確かに便利です。
でも、キャラクターデザインの現場でその機能、実際どこまで使うのか。
ピクサーのデザインは、シルエットと形が最優先だと言われています。
画面に一瞬映っただけで誰か分かるまで、形を研ぎ澄ませる。
つまり大事なのは色や質感じゃなく、真っ黒に塗りつぶしても誰だか分かるかどうか。
ここが判断できないツールは、正直どれだけ多機能でも、キャラクターデザインの現場では宝の持ち腐れになりがちです。
動きの設計図
もう一つ、ツール比較で見落とされがちな観点があります。
「動かす前提で描けるか」です。
ディズインの段階から複数ポーズを描き、どう動かしたいかを先に決める。
これはピクサーのデザイナーがやっていることとして知られています。
デザインは静止画の完成形じゃなく、動きの設計図なんですよね。
だとすると、1枚絵を美しく仕上げる機能より、簡易的にパラパラ動きを確認できる機能の方が、実はキャラクターデザインには効いてきます。
「あ、この角度、動かすとちょっと不安定だな」というのは、止め絵だけ見ていても気づけません。
共有のしやすさ
さらに、地味だけど効くポイントです。
「共有のしやすさ」です。
ピクサーの現場では、デザイン段階から3Dモデラーやアニメーション部門を早めに巻き込み、後工程で困る要素を紙の段階で潰しています。
部署を跨いだ早期共有が質を作る……という考え方です。
これは個人制作でも、企業案件でも同じです。
クラウドで作業途中のファイルをサッと共有できるか、コメントを直接絵の上に残せるか。
「ここ、動かしにくくないですか」
そういう率直な一言が早い段階で飛んでくる仕組みがあるかどうかで、後半の手戻りの量がガクッと変わります。
完成度の高いファイル形式より、途中経過を気軽に見せられるツールの方が、実は現場では価値が高い。
結論、もう一度
ツール選びで迷ったら、機能表の比較よりこの3つを見てください。
シルエットで判断できるか。
動きを試せるか。
途中を気軽に共有できるか。
道具は毎年進化しますし、これからも新しいツールは出てくるでしょう。
でも、見るべき軸が3つに絞れていれば、新しいツールが出るたびに迷わなくて済みます。
道具のせいにする前に、この3つの軸で今の道具をもう一度眺めてみてください。
というわけで、実験は続きます。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

