どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日はキャラクターの「動かし方」についてお話しします。
本日も結論からいきましょう。
キャラクターの価値は、止まっている絵じゃなくて、動いたときの癖で決まります。
着ぐるみで差が出る瞬間
イベント会場でご当地キャラクターやマスコットキャラクターの着ぐるみを見ていると、面白いことに気づきます。
絵で見るとどっちも同じくらい可愛いのに、実際に動き出した瞬間、子どもが寄ってくる子と、素通りされる子がいるんです。
「あ、こっちおいで」と手を振るタイミング、歩き方のテンポ、頭の傾け方。
そのちょっとした違いだけで、人だかりのでき方が変わります。
これ、絵の完成度の差じゃないんですよね。
むしろ絵だけ見たら、素通りされた子のほうが丁寧に描き込まれていたりする。
じゃあ何が違うのか。
ボクはずっとこの疑問を持っていました。
絵だけで止めない
答えは単純で、「動きまで設計されているかどうか」です。
「可愛く描くこと」と「可愛く動かすこと」は、実は別のスキルなんです。
ここを混同したまま「とりあえず可愛い絵ができた」で制作を終えると、着ぐるみになった瞬間にボロが出ます。
ボクが自分のキャラクターを設計するときも、平面のラフを描いた段階で必ず「これ、動かしたらどう見えるか」を考えるようにしています。
ポーズを何パターンか描いて、腕を上げたとき、走ったとき、驚いたときの形が崩れないかを確認する。
ここで根拠を3つ挙げます。
シルエットが崩れないか
1つ目は、シルエットが動きに耐えるかどうかです。
一瞬画面に映っただけで「あ、あの子だ」とわかる形。
これが動くたびにグニャッと崩れると、誰だかわからなくなります。
静止画のときは完璧でも、腕を伸ばした瞬間に別のキャラクターに見えてしまう。
それでは意味がありません。
動き方そのものが性格になる
2つ目は、動き自体が性格を語るということです。
ディズニーの伝説的なアニメーターは「命を吹き込むには、自由に動かせることが必要だ」という言葉を残しています。
悪役のクルエラは「誰もが嫌う人物のように動かす」ことを目標に設計されたそうです。
セリフで「私は意地悪です」と言わせなくても、歩き方一つでそれが伝わる。
おどおど歩けば臆病、ドスドス歩けば豪快。
動きは性格の翻訳装置なんです。
早い段階で動かす人を呼ぶ
3つ目は、動かす人を早く巻き込むことです。
ピクサーではデザインの初期段階から、実際にモデルを動かす部門のスタッフを呼んで意見をもらうそうです。
「これ、目が大きすぎて動かしにくいです」と後工程の人に一言もらうだけで、紙の段階で直せる。
これを絵だけで完結させて後から着ぐるみ職人やアニメーターに渡すと、「うわ、これ動かせない」とガクッとなる。
現場で何度も見る話です。
もう一度、結論
キャラクターの価値は、止まっている絵じゃなくて、動いたときの癖で決まります。
シルエットが崩れないか、動き方が性格を語っているか、動かす人を早めに巻き込んでいるか。
可愛い絵を描くのと、可愛く動かすのは、似ているようでまったく別の設計なんです。
というわけで、実験は続きます。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

