どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日はキャラクターの配色設計についてお話しします。
本日も結論からいきましょう。
色は、性格より先に喋ります。
形を見る前に、名前を知る前に、色の情報だけで「好き」か「近寄りたくないか」が決まってしまう。
だから配色は好みで塗るものではなく、設計するものだと思っています。
一瞬で決まる印象
街で信号を見るとき、ボクらは「これは赤だから止まれの意味だ」といちいち考えません。
色を見た瞬間、体が反応しています。
キャラクターも同じで、初めて見る人は形をじっくり観察する前に、色の情報だけで無意識のジャッジを済ませています。
悪役っぽいキャラクターに紫や黒が多いのも、ヒーローに赤や青が多いのも、偶然ではなく積み重ねられた設計の結果です。
ゆるキャラクターの現場でも、地域の名産品の色をそのまま乗せるケースをよく見ます。
みかんの産地だからオレンジ、海の街だから青。
分かりやすいのですが、似た発想の自治体が全国に山ほどあるので、気づけば「どこかで見た色」になりがちです。
じゃあ好きな色でいいのか
ここで一つ疑問が浮かびます。
じゃあ結局、好きな色を塗ればいいんじゃないかと。
「なんとなく可愛い色にしといてください」という依頼、キャラクターデザインの現場では本当によく聞く言葉です。
可愛いという言葉自体は感覚ですが、可愛く見える配色には理由があります。
明度が高くて彩度が中くらい、というだけで「優しそう」に寄っていきますし、逆に彩度をベタッと上げると「元気」や「子ども向け」に寄ります。
感覚で選んでいるようで、実は無意識に法則をなぞっているだけなんです。
だったら最初から法則を知って、狙って選んだほうがブレません。
色は好みでなく仕事
ここが①②の結論につながります。
色は「好み」ではなく、「仕事をさせるもの」です。
何の仕事かというと「見た瞬間に、伝えたい感情を渡す」という仕事です。
これを実現するために、ボクは配色を決めるとき3つのことを意識しています。
認知の速さを使う
人は、色を処理する能力が高いです。
だから「このキャラクターを見て、0.5秒で何を感じてほしいか」を先に決めてから色を選びます。
安心してほしいのか、ワクワクしてほしいのか、ちょっと不思議に思ってほしいのか。
感情のゴールを先に決めて、それに合う色相・彩度・明度を後から当てはめる順番です。
文化の翻訳を忘れない
色の意味は世界共通ではありません。
日本では慶事の色でも、海外では喪の色になることもあります。
行政案件やグッズ展開で海外を視野に入れる場合、この確認を飛ばすと後から「この色、うちの国では縁起が悪いんです」と言われて青ざめることになります。
配色は感覚の話に見えて、実は文化の翻訳作業でもあります。
競合とかぶらない色域を守る
これは地味ですが、ビジネスとしてはかなり大事な話です。
同じ業界、同じジャンルのキャラクターと色がかぶると、せっかく作ったキャラクターが「あのキャラクターに似てるやつ」で終わってしまいます。
ロゴやパッケージと並べたときに埋もれないか、他社のマスコットキャラクターと並べたときにどちらがどちらか分からなくならないか。
ここまで含めて配色設計だと考えています。
途中で「やっぱりもう少し明るくしたいです」と色を変えたくなる場面もよくありますが、そのたびに「この色は何の感情を担当していたか」に立ち返ると、変更後も軸がブレません。
もう一度、結論
色は、性格より先に喋ります。
だからこそ、なんとなくで決めていい部分ではありません。
感情のゴールを決めて、文化を翻訳して、競合との違いを守る。
この3つを通して初めて、色はキャラクターのために働いてくれる仕事道具になります。
というわけで、実験は続きます。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

