どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日は「AI×キャラクター制作」という形でお話しします。
本日も結論からいきましょう。
結論はこうです。
AIは「設計図を速く描くための道具」であって、キャラクターに命を吹き込むのは、やっぱり人の手だとボクは思っています。
AIは速いが空っぽ
画像生成AIで、キャラクターのラフを何パターンも出す。
今、これ自体はもう誰でもできる作業になりました。
プロンプトを打てば、数秒で「それっぽい」キャラクターがずらっと並びます。
色も違う、耳の形も違う、パッと見の個性はちゃんとある。
でも、ここで疑問が出てくるんですよね。
「これだけ一瞬でそれっぽいものが出てしまうなら、自分で悩んで考える意味って、あるんだろうか」
「設計もデザインも、AIに任せた方が早いんじゃないか」
そう感じる人、正直かなり多いと思います。
答えはシンプルです。
AIは形を大量に出すのは得意でも、「なぜこの子はこの顔をしているのか」は持っていません。
そこを埋める作業こそが、これからのクリエイターの仕事になる。
それが①②の結論につながります。
ピクサーが選んだ道具の使い方
根拠を3つ挙げます。
1つ目。
AIは基本的に「平均」を出す道具だということ。
学習したデータの中央値みたいなものを出してくるので、そのままだと没個性になりやすい。
個性って、実は平均からの「外れ値」に宿るものなんです。
AIが出したラフを見て「うん、悪くはない。
でも何か物足りない」と感じたことがある人、多いんじゃないでしょうか。
その「物足りなさ」の正体が、まさにここです。
2つ目。
ピクサーの映画『マイ・エレメント』の事例。
炎のキャラクターを物理シミュレーションだけで作ったら、まるで本物の放火魔のように怖くなってしまったそうです。
そこでAI(スタイル変換の技術)を使い、アーティストが手描きした「漫画のような炎」と物理シミュレーションを合成しました。
監督いわく「血の通わない新技術を扱うのではなく、感情を表現するためのツールとしてテクノロジーを使う」。
AIは代替ではなく、人の意図を通すための道具として使われている。
これは、キャラクターデザインに関わる全員が知っておいていい話だと思います。
3つ目。
権利の話です。
AIで似たような絵柄がいくらでも作れる時代になっても、「出力(実際に生まれたキャラクターの姿かたち)」に対するIP保有者の権利はむしろ強いというのが最近の流れです。
つまり、AIがどれだけ発達しても「このキャラクターらしさ」を設計した人の権利は簡単には揺らがない。
ガクッと価値が下がるのは、誰でも作れる「平均的な絵」の方です。
結論、もう一度
もう一度言います。
AIは速い。
でも空っぽです。
「なぜこの顔なのか」「なぜこの動きなのか」を埋めるのは、結局のところ人の仕事。
そこにこそ、これからも報酬が発生し続けるとボクは考えています。
AIを怖がる必要はありません。
ただ、頼りきりにもならない。
道具として使い倒しながら、「らしさ」の設計だけは自分の手に残しておく。
そのバランス感覚を、これからも実験しながら探っていきます。
というわけで、実験は続きます。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

