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案件のリアル

見積もりは「絵」ではなく「工程」に値段をつける

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STUDIO PATTI

2026.08.06 ・ 読了 約3分

どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日は「案件のリアル:見積もりと価格の決め方」についてお話しします。

本日も結論からいきましょう。
価格は絵の枚数ではなく、工程の数で決まります。
ここを間違えると、作る方も頼む方も損をします。

よくある依頼のされ方

キャラクターデザインの依頼はだいたいこう来ます。
「マスコットキャラクター、1体でいくらですか」。

シンプルな質問ですが、これに一発で答えるのは実はけっこう危ういです。
なぜなら「1体」の中身が、依頼ごとに全然違うからです。

ラフを3案出すのか1案なのか。
修正は何回までか。
権利は買い取りなのか使用許諾なのか。
グッズ化やSNS運用まで見据えているのか。

これらを聞かずに金額だけ決めると、後で必ずズレが起きます。

その依頼に潜む不安

頼む側は「相場が分からない」という不安を抱えています。
安すぎたら失礼な気がするし、高すぎたら断られる気がする。

作る側も同じです。
「これくらいで大丈夫かな」と手探りで数字を出す人、正直多いです。

そして一度安く受けてしまうと、次からもその金額が基準になります。
そのうち「あの人はこの値段でやってくれる人」という値札が貼られてしまう。
ここに気づかないまま、何年も消耗している作り手をよく見かけます。

見積もりは工程の見取り図

ボクが見積もりを作るときにまずやるのは、金額を考えることではありません。
工程を洗い出すことです。

ヒアリング、ラフ、清書、修正、納品データの整理、権利の範囲の確認。
これを全部書き出してから、それぞれに時間と難易度を当てはめます。

見積書は「絵の値段」ではなく「工程の設計図」なんです。
根拠は3つあります。

リサーチの工程

ピクサーは車のキャラクターを作るとき、実際に本物の車をオフィスに並べて観察したそうです。
ルート66まで走りに行ったという話もあります。

リアルの裏付けがあるから、ファンタジーが成立する。
これはキャラクターデザインでも同じで、依頼主の事業やターゲットを知る時間がないと、見た目だけの薄いキャラクターになります。
「とりあえずかわいくお願いします」で始まった案件ほど、後から「なんか違う」が出やすいです。
リサーチの時間は、見えないけれど確実にコストです。

修正と権利の工程

修正回数は口約束にしないほうがいいです。
「あと1回だけ」がズルズル続いて、気づいたら5回目、という話は珍しくありません。

ここで大事なのが権利の範囲です。
著作権を譲渡するのか、使用許諾なのかで、値段の考え方はまったく変わります。
ディズニーは自社キャラクターの権利を他社に握られた過去があり、そこから権利設計を徹底するようになりました。

権利をどこまで渡すかは、金額に直結する話です。
ここを曖昧にしたまま「安くしてくれてありがとう」で終わらせると、後で「これ、グッズに使っていいんですか」というやりとりが必ず発生します。

展開の工程

キャラクターは作って終わりではなく、そこから育てるものです。
SNS運用、グッズ展開、着ぐるみ化。
展開の幅が広いほど、最初の設計に求められる強度は上がります。

ディズニーの構造がまさにこれで、質の高いキャラクターがファンを生み、映画・グッズ・パークへと広がり、その利益がまた次の質に還元される。
最初の1体をどこまで見据えて作るかで、見積もりの中身は変わってきます。
「とりあえず1体だけ」の依頼でも、将来展開の可能性があるなら、それも含めて話しておくべきです。

もう一度、結論

見積もりは絵の値段ではなく、工程の値段です。

リサーチ、修正と権利、展開の見込み。
この3つを言葉にして初めて、金額に根拠が生まれます。

「高い」「安い」で揉めるのは、たいてい工程が見えていないからです。
作る側も頼む側も、まず工程を並べてみる。
そこから話を始めるだけで、ずいぶんすれ違いは減ると思っています。

というわけで、実験は続きます。
では。

合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

おばけのパッチ

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運営会社概要

商号
合同会社スタジオパッチ
代表
池本 将
法人番号
6180003026597
所在地
愛知県一宮市西五城中切29-1
創業
2024年4月1日
資本金
1,000,000円
問合せ先
mm.arrowz.39@gmail.com