どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日は「キャラクターの動かし方」について話をします。
本日も結論からいきましょう。
キャラクターは、絵を描き終えてから動かし方を考えるのではなく、動かし方を先に決めてから絵を描いた方がいいです。
順番を逆にすると、あとで痛い目を見ます。
可愛いのに、動くと違和感
企業のキャラクターやご当地キャラクターのイラストを見て、「これは可愛い」と思うことがよくあります。
でも同じキャラクターが着ぐるみになった途端、なんだか動きがぎこちない。
イベントで見た着ぐるみが、手を振るたびに頭がガクッと傾いたり、歩くたびに服の中で何かがつっかえているような動きをしていたり。
SNS用のイラストはあんなに整っていたのに、なぜ実際に動かすと崩れるのか。
これ、キャラクタービジネスで本当によくある話です。
動きは後付けできない
答えはシンプルで、そのキャラクターは「動くこと」を想定して形を作られていないからです。
ディズニーの伝説的なアニメーター、マーク・デイヴィスの言葉に「命を吹き込むには、自由に動かせることが必要だ」というものがあります。
形が先にあって、動きは後から乗せるものではない。
動きが決まっているから、形が決まる。
この順番を間違えると、どれだけ絵がうまくても「動く資産」にはならないんです。
検証してわかった3つのこと
ボクなりに、既存のキャラクターや自分の制作物を見比べながら検証してみました。
分かったことは3つあります。
1つ目、シルエットが動きに耐えるかどうか。
手足が短すぎたり、パーツが体にめり込むような設計だと、静止画では気にならなくても、動いた瞬間に「あれ、腕どこいった」となります。
着ぐるみ担当の人が「これ、動かすと肩から抜けちゃうんですよね」とこぼす、あの感じです。
止まっている前提の絵と、動く前提の絵は、そもそも設計基準が違います。
2つ目、性格を動きに翻訳できているか。
映画『101匹わんちゃん』のクルエラは、「誰からも嫌われる人物のように動かす」という狙いで設計されたと言われています。
性格は口調や設定文だけでなく、歩き方や手の動かし方にも乗る。
おとなしい性格のキャラクターが、走るときだけ妙にキビキビ動いたら、それだけで「なんか違う」と感じてしまう。
見た目と動きの性格が一致しているか、ここは地味に効いてきます。
3つ目、早い段階で「動かす人」を巻き込めているか。
ピクサーではデザインの初期段階から、実際にモデリングやアニメーションを担当するスタッフを呼ぶそうです。
目が大きすぎて動かしにくい、腕が細すぎて曲げると折れて見える、そういう問題を紙の段階で潰すためです。
これ、キャラクターグッズの現場でも同じことが起きます。
イラストレーターが仕上げた絵を、あとから着ぐるみ業者に渡したら「この耳の角度、立体にすると干渉します」と言われる。
もっと早く相談していれば直せた話です。
動きが先、絵は後
というわけで、検証を重ねてみて改めて思うのは、キャラクターデザインは「見た目の完成」がゴールではないということです。
静止画としてどれだけ美しくても、動かした瞬間に人格が伝わらなければ、そのキャラクターは半分しか完成していません。
動きが先、絵は後。
設計の順番を一つ変えるだけで、キャラクターの寿命はけっこう変わってきます。
というわけで、実験は続きます。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

