どうも、合同会社スタジオパッチ代表の池本です。
今日は任天堂の「マリオ」について話をします。
本日も結論からいきましょう。
結論は「キャラクターは最初から完成していなくていい」ということです。
完成してなくていい
マリオは1981年稼働のアーケードゲーム『ドンキーコング』で初めて画面に登場しました。
このとき彼にはまだ名前がなかったんです。
宮本茂さんが手掛けた最初のタイトルで、いわば脇役としてこの世に生まれています。
名前のない、脇役だったャラクターが、40年以上かけて世界的なIPになった。
これ、キャラクター設計を考えるうえで本当に面白い事例だと思うんです。
身近な例で考えてみます。
ボクのところにも「キャラクターを作りたいけど、完璧な設定が固まってから相談すべきですよね?」と聞かれることがあります。
性格も、名前の由来も、世界観も、全部決まってから動き出すべきだと思っている人が多い。
でも、ここで疑問が浮かびます。
本当に、最初から全部を決め切る必要があるのでしょうか。
完璧な設計図を待っているうちに、手が止まってしまう人をボクはたくさん見てきました。
「ちゃんとしたものができるまで見せられない」と言ったまま、何年も動かないキャラクターがある。
これ、もったいないんですよね。
マリオの歴史が教えてくれるのは、答えそのものです。
キャラクターは、最初から完成していなくていい。
動かしながら、育てながら、形にしていくものなんです。
根拠は3つ
1つ目は「役割から生まれた」という点です。
マリオはもともと主人公として設計さたキャラクターではありません。
ゲームの中で必要な役割を担うために生まれ、後から名前がつき、後から主人公に育っていきました。
「この子、まず動かしてみよう」というノリで生まれたキャラクターが、結果的に世界的な存在になっている。
これは設計理論としてすごく重要な視点です。
最初から「主役級のキャラクターを作らなければ」と気張る必要はないんです。
2つ目は「長く売れ続ける設計」という点です。
『マリオカート8 デラックス』は、2026年6月末時点で世界販売本数7,153万本に達しています。
発売から約9年経っても伸び続けているロングセラーです。
1本を短期で終わらせず、長く育てて売り続ける。
これもマリオというIPの運用の型です。
「作って終わり」ではなく「育てながら売る」という発想。
クライアントさんにキャラクター設計の話をするとき、よく「一発でバズるデザインをお願いします」と言われることがあります。
でもボクはいつも「バズよりも、長く付き合えるかを一緒に考えましょう」と伝えています。
3つ目は「本業を太らせるための脇」という点です。
任天堂の収益の中核はゲームソフト事業そのもので、2025年3月期の売上高は1兆1,649億円にのぼります。
一方で映画やグッズなどの「モバイル・IP関連収入等」は676億円という規模です。
つまりマリオという映画やグッズの展開は、ゲーム本体の売上と比べれば一部分にすぎません。
それでも映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は全世界累計興行収入13億3,019万ドルという結果を出しました。
「え、それってメインの事業じゃないのに、そんな規模になるの?」と驚く人も多いはずです。
これは、IPを広げることが本業のファンを増やし、結果的に本体の売上に還流する設計になっているからなんです。
キャラクターグッズや映画は、それ単体の売上を追うものではなく、キャラクターに触れる人口を増やすための入口。
ここの考え方、企業やご当地キャラクターを持つ自治体の担当者さんにこそ知ってほしいところです。
というわけで、もう一度結論を言います。
キャラクターは最初から完成していなくていい。
名前がなくても、脇役でも、動かしながらてていける。
マリオの40年以上の歴史が、それを証明してくれています。
というわけで、実験は続きます。
では。
合同会社スタジオパッチ
代表 池本将

